Alexa開発者コンソールを使用してスキルを作成する


Alexa開発者コンソールを使用してスキルを作成する

Alexa開発者コンソールビルドページでは、スキルの設定、スキルサービスエンドポイントの指定などを行います。開発者コンソールで指定する設定オプションは、スキル作成時に選択した音声対話モデルによって異なります。カスタムスキルの場合は、カスタム音声対話モデルを定義し、マルチモーダルの応答を追加し、スキルが使用するインターフェースを選択します。プリビルド音声対話モデルを使用するスキルの場合は、アカウントリンクや権限の定義を行います。

スキルの設定オプションは、開発者コンソールのビルドページの左側にあるペインから選択できます。必須の項目と任意の項目があります。ペインに表示される項目は、スキル作成時に選択したモデルによって異なります。

カスタムモデル

カスタム音声対話モデルを使用するスキルの場合、ビルドページには、スキルの設定とテストの実施に必要な最小限の手順が一覧表示されます。必須の手順については完了する必要があります。カスタムスキルの詳細については、カスタムスキルとはを参照してください。

チェックリストには必須の手順が表示されます。ステップ1:呼び出し名、ステップ2:インテント、サンプル、スロット、ステップ3:モデルをビルド、ステップ4:エンドポイントです。
カスタムスキルのビルド手順

以下の表は、カスタムモデルを使用するスキルの設定オプションをまとめたものです。オプションは、左側のペインのカスタムの下に表示されます。

オプション 説明

呼び出し

スキルの呼び出し名、起動フレーズ、インテント起動フレーズを定義します。詳細については、カスタムスキルの呼び出し名を決定するを参照してください。

対話モデル

カスタム音声対話モデルを作成する
詳細については、スキルの対話モデルの作成を参照してください。

対話モデルの下には、次のメニュー項目が表示されます。

  •  インテント – インテント、スロット、サンプル発話を作成、編集します。
  •  アノテーションセットアノテーションのグループを作成、編集します。アノテーションセットと自然言語理解(NLU)評価ツールを使って、対話モデルの精度をバッチテストします。
  •  インテント履歴 – 集計され、匿名化されたよく使われる発話と解決されたインテントを確認できます。この履歴は、指定のロケールでスキルに1日あたり10人のユニークユーザーが存在した場合に表示されます。
  •  JSONエディター – JSONエディターで対話モデルをアップロード、表示、編集します。エディターでは、コンマの配置ミスなど、JSON構文エラーの基本的な検証が行われます。JSONスキーマの詳細については、対話モデルのスキーマを参照してください。

アセット

カスタムスロットタイプの作成と、インテントで使用するビルトインスロットタイプの検索ができます。対話モデルに含まれるすべてのスロットに、タイプが割り当てられます。タイプに応じて、ユーザーが言ったデータの処理方法を決定します。詳細については、カスタムスロットタイプの作成と編集Alexa Conversationsでのスロットタイプの使用スロットタイプリファレンスを参照してください。

マルチモーダル応答

Alexaを搭載したマルチモーダルデバイス向けに、視覚的な応答と音声の応答を定義します。詳細については、スキルに視覚要素とオーディオを追加するを参照してください。

タスク

スキルが実行するカスタムタスクやアクションを定義します。ユーザーは、AlexaアプリでのAlexa定型アクション作成時に、実行するタスクを選択できます。詳細については、プリビルドの定型アクションをスキルで提供するを参照してください。

インターフェース

特定の機能向けにディレクティブとリクエストを追加します。

カスタムスキルで利用できるインターフェースは次のとおりです。
  •  Audio Player
  •  Video App
  •  Alexa Gadget用カスタムインターフェースコントローラー
  •  無指名対話用CanFulfillIntentRequest
  •  Alexa Presentation Language(APL)
  •  Alexa Web API for Games
  •  Alexa Extensions for APLまたはWeb API Extensions for Games
  •  Alexa Conversations
  •  Alexa Shopping Kit
  •  オートデリゲート

エンドポイント

サービスをアマゾン ウェブ サービス(AWS)Lambda関数またはウェブサービスとしてホストするエンドポイントを定義します。

  • LambdaエンドポイントにAWS LambdaのARNオプションを選択し、デフォルトの地域に関数のARNを入力します。
    ほかのリージョンでの待ち時間を短縮するために、複数のエンドポイントを指定できます。
  • ウェブサービスエンドポイントにはHTTPSオプションを選択し、デフォルトの地域にエンドポイントの完全なURLを入力します。
    信頼された証明機関が発行したSSL証明書を設定する必要があります。または、エンドポイントが証明機関発行のワイルドカード証明書を持つドメインのサブドメインである必要があります。テスト用には、自己署名証明書を作成できます。

ビルド履歴

対話モデルのこれまでのビルドバージョンを確認できます。ここでは、現在のモデルのビルドを以前のビルドと比較したり、対話モデルの以前のバージョンを現在のバージョンにコピーしたりできます。詳細については、ビルド履歴を参照してください。

以下の画像は、左ペインのメニューでインテントビルダーを選択したカスタムスキルのビルドページです。

画像には、カスタム対話モデルを作成する、ビルドページの左ペインメニューとインテントページが表示されています。
ビルドページ(カスタムスキルの場合)

スキルのビルド

スキルに呼び出し名を付けて音声対話モデルのインテント、サンプル、スロットを定義したら、保存してスキルをビルドします。定義した言語とロケールでスキルをビルドするには、右上にあるビルドボタンをクリックします。

画像は保存とビルドのボタンがハイライトされたビルドページです。
スキルを保存してビルドする

ビルドの進行状況を確認するには、右上にあるビルドステータスを表示をクリックします。ビルド中パネルに、各ロケールのビルドステータスが表示されます。ビルド中に対話モデルのエラーが見つかった場合、コンソールのビルドページ下部にエラーと警告が表示されます。

画像はビルド中パネルと各ロケールのステータスです。
ビルド中パネル

ビルド履歴

これまでのビルドを確認するには、左側のペインでカスタム > ビルド履歴を選択します。ここには、最近の正常に終了したビルドが表示されます。以前の対話モデルと現在のバージョンを比較するには、アクション差分を表示を選択します。現在のバージョンのコピーを保持しておくには、必ず現在のバージョンをビルドしてください。対話モデルの前のバージョンを復元するには、アクションビルドをコピーを選択します。

画像はビルド履歴です。
ビルド履歴ページ

プリビルドモデル

音楽スキル、スマートホームスキル、ビデオスキルなど、プリビルドの音声対話モデルを使用するスキルの場合、ビルドページにスキルの設定オプションが表示されます。すべてのモデルはen-USロケールをサポートしていますが、特定のロケールをサポートしていないモデルもあります。各モデルでは、該当するエンドポイントセクションのAWS Lambda ARNエンドポイントが必要です。左ペインのオプションを選択して、スキルの追加情報を設定します。アカウントリンクが必要なモデルもありますが、アカウントリンクが任意のモデルや、サポートしていないモデルもあります。一部のモデルでは、ユーザーの同意を得るためにアクセス権限の有効化をサポートしており、スキルがユーザー情報にアクセスしたり、Alexaに情報を送信したりできるようになります。

以下の表は、プリビルドモデルをまとめたものです。詳細情報の参照先も提供しています。

プリビルドモデル 説明

コネクテッドカー

コネクテッドカースキルを使うと、ユーザーはリモートから車を制御できます。詳細については、Alexaのコネクテッドカースキルを参照してください。

フラッシュブリーフィング

フラッシュブリーフィングスキルは、ユーザーにニュースフィードの制御を渡します。ユーザーは聴きたいニュースフィードを制御します。詳細については、フラッシュブリーフィングスキルの作成手順を参照してください。

音楽

音楽スキルを使用すると、ユーザーはオーディオストリーミングサービスを自由に操作でき、ユーザーは、カタログから音楽、ラジオ、ポッドキャストを再生、検索、一時停止、スキップ、シャッフル再生できます。詳細については、次のページを参照してください。

スマートホーム

スマートホームスキルを使用すると、ユーザーが簡単にスマートホームデバイスを制御でき、照明やその他のデバイスをリモート管理できます。詳細については、次のページを参照してください。

ビデオ

ビデオスキルでは、ユーザーがビデオコンテンツを検索、再生できます。ユーザーはコンテンツを検索し、スキルはお勧めコンテンツを提供します。詳細については、次のページを参照してください。

以下の画像は、プリビルドスキルのビルドページです。

画像には、左ペインにスマートホーム、アカウントリンク、アクセス権限、ページ上にサービスエンドポイントが表示されています。
ビルドページ(スマートホームスキルの場合)

マルチ機能モデル

マルチ機能スキル(MCS)機能を使うと、カスタムスキルにプリビルドモデルを追加したり、カスタムモデルを使ったスマートホームスキルを拡張してカスタム発話を追加したりできます。詳細については、マルチ機能スキルについてを参照してください。

スキルに対象のモデルを追加したり削除したりするには、左ペインでモデルを選択します。モデルページから、追加または削除をしたいモデルを見つけます。ステータスで、モデルの選択/選択解除を行い、保存をクリックします。

以下の画像は、カスタムモデルを有効にしたモデルページです。

画像は、スマートホームスキルのモデルページです。
モデルページ(スマートホームスキルの場合)

オプション機能

左ペインでツールを開くと、スキルモデルで使用できる機能を確認できます。

スキルを収益化する

Alexaカスタムスキルで収益を得るには、スキル内課金(ISP)、有料スキル、Alexa Skill Dealsという方法があります。スキルを収益化するには、ツール > スキルの収益化をクリックし、追加したいオプションを選択します。詳細については、Alexaスキルで収益を得るを参照してください。

以下の画像は、スキルの収益化ページです。

画像は収益化ページのオプション(スキル内商品、有料スキル、Skill Deals)です。
スキルの収益化ページ(カスタムスキルの場合)

アカウントリンク

アカウントリンクを使って、AlexaユーザーのIDとシステム内のユーザーIDをリンクするセキュリティ情報を設定します。カスタムモデルまたは音楽モデルを使用するスキルでは、アカウントリンクは任意ですが、コネクテッドカー、スマートホーム、ビデオのモデルを使用するスキルでは必須です。詳細については、アカウントリンクとはを参照してください。

アカウントリンクの設定は、モデルタイプによっていくつか以下のような小さな違いはありますが、ほぼ同じです。

  • カスタムモデルを使用するスキルの場合:
    • アカウントリンクは任意です。
    • Authorization code grant(推奨)、Implicit grantのいずれかを選択できます。
  • コネクテッドカー、スマートホームまたはビデオのモデルを使用するスキルの場合:
    • アカウントリンクは必須です。
    • スキルは、Authorization code grantを使用する必要があります。
  • 音楽モデルを使用するスキルの場合:
    • アカウントリンクは任意です。
    • スキルは、Authorization code grantを使用する必要があります。

カスタムモデル、およびスマートホーム、ビデオのいずれかのモデルを使用するスキルには、スマートホームとビデオと同じ要件が適用されます。詳細については、カスタムスキルのアカウントリンクスマートホームなどのドメインのアカウントリンクを参照してください。

アカウントリンクのコンフィギュレーションの方法について詳しくは、以下を参照してください:

開発者コンソールでアカウントリンクを設定できます。左ペインで、ツール > アカウントリンク(カスタムスキルの場合)、アカウントリンク(プリビルドモデルの場合)を選択します。

以下の画像は、開発者コンソールでのスマートホームスキルのアカウントリンクページです。

アカウントリンクページ(スマートホームスキルの場合)
アカウントリンクページ(スマートホームスキルの場合)

アクセス権限

左ペインで、ツール > アクセス権限またはアクセス権限を選択し、特定の個人情報にアクセスしたり、特定のタスクを実行したりする権限をユーザーに求めるようスキルを設定します。スキルに必要な権限のみを有効にしてください。有効にできる権限は、スキル作成時に選択したモデルによって異なります。

権限を有効にすると、スキルがその情報にアクセスしたりタスクを実行したりするための、スキルユーザーのアクセス権限を求めることができるようになります。スキルユーザーが同意するまで、スキルがこの権限を取得することはありません。

フラッシュブリーフィングと音楽のモデルは権限をサポートしていません。

カスタムスキルのアクセス権限

以下の表は、カスタムスキルで有効にできる権限をまとめたものです。

権限の設定 説明

通知

有効にすると、ユーザーに通知を送信するために、Alexaアプリのアクセス権限を提供するようユーザーにリクエストすることができます。

通知権限は、プロアクティブイベントを使用している既存のスキルを開くまで、表示されません。スキルのプロアクティブイベントを有効にするには、Alexa Skills Kitコマンドラインインターフェース(ASK CLI)を使用してスキルマニフェストを修正し、この権限のスコープを含めるようにする必要があります。詳細については、プロアクティブイベントAPIリファレンスを参照してください。

デバイスのアドレス

有効にすると、ユーザーに対して、デバイスに設定されたアドレス情報にアクセスする権限を、スキルが求めることができるようになります。スキルは、スキルに必要な情報に応じて、住所または国/地域と郵便番号のみのいずれかをリクエストできます。

詳細については、デバイスアドレスAPIを参照してください。

ユーザー名

有効にすると、ユーザーに対して、デバイスに設定されたユーザー名情報にアクセスする権限を、スキルが求めることができるようになります。スキルは、スキルに必要な情報に応じて、姓名または名前のいずれかをリクエストできます。

詳細については、スキルで使用するためにユーザーの連絡先情報をリクエストするを参照してください。

ユーザーのEメールアドレス

有効にすると、ユーザーに対して、デバイスに設定された電子メールアドレスにアクセスする権限を、スキルが求めることができるようになります。

詳細については、スキルで使用するためにユーザーの連絡先情報をリクエストするを参照してください。

電話番号

有効にすると、ユーザーに対して、デバイスに設定された電話番号にアクセスする権限を、スキルが求めることができるようになります。

詳細については、スキルで使用するためにユーザーの連絡先情報をリクエストするを参照してください。

リマインダー

有効にすると、リマインダーを送信する権限をユーザーに求めることができるようになります。

詳細については、Alexaリマインダーの概要を参照してください。

位置情報サービス

有効にすると、ユーザーの位置情報を取得して使用する権限をユーザーに求めることができるようになります。これはデバイスアドレス情報とは異なります。位置情報サービスがユーザーアカウントの住所情報ではなく、ユーザーの動的な位置を参照しているためです。

詳細については、Alexaスキル向け位置情報サービスを参照してください。

スキルのパーソナライズ

有効にすると、スキルは、パーソナライズした体験を音声IDで識別されたユーザーに提供する権限をユーザーに求めることができるようになります。

詳細については、Alexaスキルへのパーソナライズ機能の追加を参照してください。

PINの確認

有効にすると、スキルは、特定のスキル機能へのアクセスをユーザーに付与する前に、そのユーザーのプロファイルPINを確認するよう、Alexaに指示することができます。確認は必須または任意から選択できます。

詳細については、PIN確認をAlexaスキルに追加するを参照してください。

タイマー

有効にすると、スキルはスキルセッション中にアクティビティのタイマーを作成できます。

詳細については、Alexaタイマーの概要タイマーREST APIリファレンスを参照してください。

Alexaスキルメッセージング

権限を有効にしたら、コンソールには、スキルを認証するクライアントIDクライアントシークレットの値が表示されます。これらの値を使用して、スキルでセッション外イベントを有効にできます。

詳細については、Alexaスキルのスキルイベントスキルにメッセージを送信するようアプリケーションやサービスを設定するを参照してください。

コネクテッドカー、スマートホーム、ビデオスキルのアクセス権限

以下の表は、プリビルドモデルを使用したスキルで有効にできる権限をまとめたものです。

権限の設定 説明

Alexaイベントを送る

有効にしてユーザーがアクセス権限を付与すると、スキルからイベントをAlexaイベントゲートウェイに送信できるようになります。このインターフェースを使用して、Alexaディレクティブに非同期に応答したり、Alexaにプロアクティブな状態レポートを送信したりできます。
詳細については、イベントゲートウェイにイベントを送信するを参照してください。

Alexaスキルをプロアクティブに有効にする

有効にすると、Alexaはユーザーがスキルの使用を開始したあと、スキルを自動的に有効にできます。この権限はビデオスキルに適用されます。

Alexaスキルメッセージング

Alexaイベントを送るを有効にすると、コンソールには、スキルを認証するクライアントIDクライアントシークレットの値が表示されます。これらの値を使用して、スキルでセッション外イベントを有効にできます。

言語

カスタムスキルの場合、複数の言語で対話モデルを定義して、新しいロケールでスキルを有効にできます。詳細については、多言語に対応するスキルを開発する同じ言語のロケールをカスタムスキルに追加するを参照してください。

スマートホームスキルの場合、言語を追加して新しいロケールに展開できます。詳細については、スマートホームスキルを複数の言語で開発するを参照してください。

カスタムスキルに新しい言語とロケールを追加する

  1. 左ペインで、ツール > 言語設定を選択します。
  2. 言語設定ページで、最下部までスクロールし、+ 新しい言語を追加をクリックします。
  3. 追加したい言語を選択します。
  4. カスタムスキルの場合、同じ言語をサポートするロケール全体でスキルを有効にするには、ロケールを同期のスイッチをクリックします。
  5. 言語設定を保存するには、保存をクリックします。
  6. カスタムスキルの場合、新しい言語でスキルをビルドするには、左側のパネルでカスタムを選択してスキルをビルドをクリックします。

スマートホームスキルに新しい言語とロケールを追加する

  1. 左ペインの言語ドロップダウンメニューで、言語設定を選択します。
  2. 言語設定ページで、最下部までスクロールし、+ 新しい言語を追加をクリックします。
  3. 追加したい言語を選択します。
  4. 言語設定を保存するには、保存をクリックします。

以下の画像は、言語設定ページです。

画像は、言語設定ページのオプションです。
言語設定ページ(カスタムスキルの場合)

このページは役に立ちましたか?

最終更新日: 2024 年 07 月 01 日