スキル内課金を使用すると、ゲーム機能や対話型のストーリーなど、プレミアムなデジタルコンテンツに課金をすることができます。 ユーザーは、スキルとやり取りしながら、シームレスに商品を購入できます。 支払い方法は、Amazon アカウントに登録されているものが使われるので、新たに設定する必要はありません。
スキル内課金は、フリーミアムである必要があります。 ユーザーは無料でスキルを開始して、スキルが提供する魅力や内容を体験することができます。
ユーザー : 「アレクサ、プレミアムトリビアを開いて」 Alexa(スキル) : 「ようこそ。どのトリビアを聞きたいですか?トリビアの種類を知るにはヘルプと言ってください。」 ユーザー : 「宇宙のトリビアを聞かせて」 Alexa(スキル) : 「知ってましたか?火星と金星の・・・」 Alexa(スキル) : 「他のトリビアを聞きたいですか?」
有料のプレミアムコンテンツや機能を、スキル内商品と呼びます。 ユーザーがスキルの魅力や内容を理解したところで、スキル内商品の提供を試みますが、それには2通りのアプローチがあります。
(1) ユーザーにアップセルを提案する
アップセルとは、開発者がスキル内商品を紹介するチャンスと判断したときに、ユーザーに商品を提示することです。 たとえば、次のような流れです。
ユーザー : 「科学のトリビアを聞かせて」 Alexa(Amazon) : 「科学のトリビアにはプレミアムパックが必要です。詳細を聞きますか?」 ユーザー : 「はい」 Alexa(Amazon) : 「プレミアムパックは・・・ 税込み価格は99円です。購入しますか?」 ユーザー : 「はい」 Alexa(スキル) : 「それでは科学のトリビアをお話します」
(2) ユーザーが直接購入する
スキルを使用するにつれて、ユーザーはスキル内商品を繰り返し購入するなど、アップセル以外のタイミングで特定の商品の購入を希望するようになる可能性があります。 こうした場合に備えて、商品名だけで購入を依頼できるよう準備をしておく必要があります。
ユーザー : 「ヒントパックを購入して」 Alexa(Amazon) : 「ヒントパックは・・・税込み価格は99円です。購入しますか?」 ユーザー : 「はい」 Alexa(スキル) : 「新しく10個のヒントが使えるようになりました」
スキル内課金では、次の3通りの課金方法を、用途に合わせて使うことができます。
買い切り型 : 制限されているスキル内の機能やコンテンツにアクセスできるようにします。 買い切り型には有効期限がありません。
消費型 : 何度も購入、消費できるコンテンツや機能です。例えば、ゲームのヒント、ゲーム内通貨、または追加ライフなどです。
サブスクリプション型 : 一定期間、プレミアムコンテンツまたは機能にアクセスできるようにします。サブスクリプションをキャンセルするまで、繰り返し定期的に課金がされます。
アップセルのタイミングや提案の仕方、直接購入の用意、課金方法の選択などは、ユーザーがプレミアムコンテンツに移行する判断に大きく影響します。 スキル内課金を始めるには、以下テクニカルドキュメントの他、ベストプラクティスなどもご参照ください。
Amazon Pay は、Amazon 以外の ECサイトでも、おなじみの Amazon アカウントを使ったお買い物を可能にするサービスです。 クレジットカードや配送先住所は、Amazon アカウントに登録済みのものが使われるので、新たに設定する必要はありません。(Amazon以外のサイトでも、Amazonみたいにお買い物しよう)
Alexa スキル向け Amazon Pay により、Alexa スキル内からも Amazon Pay を利用して、実際の商品やサービスを販売することができます(Alexaスキル向けAmazon Payで収益につなげよう)。 Alexa スキル向け Amazon Pay により、ユーザーは例えば次のような体験ができます。
ユーザー : 「アレクサ、日用品ショップでいつもの洗剤を買って」 Alexa(スキル): 「吉田さん、いつもありがとうございます、洗剤ピカールのご購入ですね」 Alexa(Amazon Pay) : 「アマゾンペイで500円のお支払いをします。よろしいですか?」 ユーザー : 「はい」 Alexa(スキル): 「ご注文ありがとうございました」
Alexa スキル向け Amazon Pay には、以下のような利点があります。
ユーザーは新たにクレジットカードや住所などを設定する必要がありません。 これにより開発者は、新規顧客獲得、コンバージョンアップなど、ビジネスの成長が期待できます。 (Amazon Payはロイヤルカスタマーの獲得をサポートします)
Amazon アカウントの登録情報を呼び出せるので、ユーザーが改めてスキルに対してアカウント設定する必要はありません。
開発者は Amazon Pay スピーチレットを利用して、与信や決済のなど重要な処理を Amazon Pay 側に委託できます。
スキル、Web、アプリの各チャネルを通して、Amazon Pay ユーザーの連携が可能です。 スキルと Web、アプリのユーザーをシームレスにつなぎ、ログイン情報入力作業なしにユーザーにパーソナライズした体験を提供可能です。
Alexa スキル向け Amazon Pay についての詳細は以下をご参照ください。
事業者が Web やモバイルアプリなど、ユーザーアカウントで管理する既存のサービスを持っている場合、それらに音声による新たなインターフェイスを追加することで、ビジネスチャンスを拡大できる可能性があります。
例えば、マッサージの Web 予約システムと連携して、以下のようなスキルによるユーザー体験を実現できます。
ユーザー : 「アレクサ、マッサージ亭で一番早い時間を予約して」 Alexa : 「吉田さんこんにちは、いつもの全身60分コースは、このあと午後5時から予約できます。予約しますか?」 ユーザー : 「はい」 Alexa : 「全身60分コースを本日午後5時で予約しました」
Amazon Pay が提供する Buyer ID を利用すると、スキルと Amazon Pay を利用した EC サイトとの間で、カスタマーを一意に特定することができます(Buyer ID の仕組みは 2019年5月に追加されました)。 サービスと連携して、ユーザーの好みに応じた体験をスキルで提供したり、スキルからの指示で EC サイトのカートに商品を入れておくなど、幅広い対応が可能になります。
もう一つ、アカウントリンクという機能があります。 アカウントリンクは、ユーザーが Alexa アプリから Web サービスにログインし、ユーザーに代わって Alexa スキルがその Web サービスにアクセスできるようにするものです。
アカウントリンクを使ったスキルを有効にするとき、もしくは、スキル内でアカウントリンクを必要とする機能を利用しようとしたとき、下図左のように、ユーザーは Alexa アプリでアカウントリンクを有効にします。 その後、開発者が指定した外部のログイン画面に遷移し、必要なアクセスの許可をユーザーに確認します。
この例では、 Login with Amazon を利用してユーザー認証をしていますが、OAuth2.0 をサポートした任意の認証サービスを利用することができます。
Alexa はこの結果得られたトークンをユーザーアカウントに紐づけて管理し、各スキルリクエストにユーザー毎のトークンを添付しますので、スキル開発者は、このトークンを利用してサービスにアクセスすることができます。 ユーザーは一度ログインを行うと、トークンが有効である間はログインし直すことなく、スキルから継続的にサービスを利用できます。
ただし、アカウントリンクを利用してスキルから決済を行うためには、事業者のサイトにクレジットカードや住所情報などが保存されているなど、音声によるショッピングに対応できる能力が必要です。 Amazon Pay を使うと、一度の会話で決済までシームレスなユーザー体験が実現できます。 Webやモバイルのサービスが Amazon Pay に対応してない場合でも、アカウントリンクと Alexa スキル向け Amazon Pay による支払いの併用が可能です。 また、プレミアム機能の提供などデジタルコンテンツへの課金には、ポリシーガイドによりスキル内課金を利用する必要があります。
アカウントリンクについての詳しくは、 カスタムスキルのアカウントリンク 参照してください。
アカウントリンクも含め、スキルで収益化を行うときのそれぞれの特徴を、以下にまとめます。
スキル内課金 | Amazon Pay | アカウントリンク | |
---|---|---|---|
スキルへのアカウントの設定 |
不要 |
不要 |
Alexaアプリ等で設定が必要 |
対象 |
デジタルコンテンツ・プレミアム機能へのアクセスなど |
実際の商品・会費・チケット・各種サービス料など |
実際の商品・会費・チケット・各種サービス料など |
決済方法 |
Amazonによる決済 |
Amazonによる決済 |
事業者による決済。ユーザーの支払い情報を保存するなど、音声ショッピングを実現する能力が必要 |
スキルを使用した支払いのポリシーに関しては、 Alexaスキルのポリシーのテスト および 商品、コンテンツ、サービスを購入できるスキルの要件 を確認してください。
一番大事なのは、ユーザーがお金を払ってでも受けたいサービスであることです。 是非、魅力あるサービスやユーザー体験を用意して、収益化を目指しましょう。